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ニュースリリース

2012年3月19日
ご報告

定期乗車券の不正再発行等に関する調査結果について

 平成24年2月10日に発表いたしました大阪環状線天満駅社員による定期乗車券の不正再発行および払戻しによる現金着服を受け、同様の不正の有無および現金管理の実態について全社的な調査を実施いたしました。
その結果、平成24年2月21日に発表いたしました山陽本線五日市駅社員による不正行為に加えて、新たに社員による現金の着服があったことが判明いたしました。弊社社員の不正行為により、ご利用のお客様の信頼を裏切ってしまったことに対しまして、あらためて深くお詫び申し上げます。
 今回の調査結果を厳粛に受け止め、ソフト・ハード両面にわたってチェック体制を整備するとともに、社員に対する教育、指導を徹底し、再発防止に努めてまいります。

詳細

1 今回の調査について
(1)調査内容
 定期乗車券の再発行をした場合には、回収させていただいた定期乗車券などの証票を、毎日の売上締切に合わせて再発行記録と突き合わせチェックするとともに、旬毎のチェックを取り扱った駅で行うこととしております。
 今回調査では、定期乗車券再発行時にお客様から回収させていただいた定期乗車券などの証票の有無のほか、再発行・払戻しに関するデータについて、調査可能なものを確認し、これらが正規の取り扱いであったか否かを、以下により検証いたしました。
 ・回収定期券などの証票と再発行記録を突き合わせ、証票が無いものについて、業務担当者などから聞き取り調査を実施しました。
 ・販売機器であるマルスおよびICOCA(イコカ)定期の再発行データを用い、再発行定期券の払戻しが複数回行われているものなどを抽出し、同じく業務担当者などから聞き取り調査を実施しました。
<調査したデータ>

  調査期間 再発行件数 調査件数 うち、不正があった駅の件数
再発行定期券(磁気定期券
およびICOCA定期券)のうち
証票が無く再発行しているもの
3カ月 約3.6万件 約1,300件 640件
再発行磁気定期券で
払戻されているもの
3年 約7.5万件 約1,000件 246件
再発行ICOCA定期券で
払戻されているもの
6.5年 約50万件 約600件 582件


(2)調査結果
 今回の調査により、既に発表している天満駅社員および五日市駅社員による不正行為のほか、2件の不正行為が判明いたしました。なお、その他の駅においては、不正と認められるものは確認できませんでした。

(3)調査期間
 平成24年1月27日から3月16日

2 新たに判明した不正行為について

箇所 期間 件数 総額 関係社員
明石駅・朝霧駅 平成18年6月から平成24年2月 659件 約8,600万円 8人
新三田駅 平成20年4月から平成20年8月 2件 約16万円 1人
661件 約8,616万円 9人


(1)明石駅社員による不正行為

○概要
 JR神戸線(山陽本線)明石駅所属の男性社員は、7名の社員に協力させ、勤務中に明石駅および朝霧駅の「みどりの窓口」において、架空の磁気定期乗車券があるものとして、磁気定期乗車券を再発行し、それをICOCA(イコカ)定期乗車券に変更した後に払い戻すなどの方法により、現金を着服していました。
複数の社員が関与しており、また被害額は約8,600万円に上り、極めて悪質であることから、既に警察にも相談し、判明した内容を踏まえ、告訴いたしました。

○不正行為を行っていた期間
 平成18年6月から平成24年2月まで

○着服件数
 659件

○着服金額
 約8,600万円

○関与した社員     
 明石駅所属の男性社員(50歳)および協力した社員7名(うち、転出者3名、退職者1名)

  雇用形態 性別 年齢 関与した期間 現所属
A 社員 50 平成18年6月から平成24年 2月まで 明石駅
B 社員 23 平成21年2月から平成21年 8月まで せとうち地域鉄道部
C 社員 22 平成21年 2月から平成22年10月まで 姫路列車区
D 契約社員 23 平成21年 4月から平成23年12月まで 明石駅
E 契約社員 27 平成21年 8月から平成23年 7月まで 西明石駅
F 契約社員 27 平成22年 1月から平成22年 6月まで (既退職)
G 社員 25 平成22年10月から平成24年 2月まで 明石駅
H 契約社員 24 平成23年 6月から平成24年 2月まで 明石駅

 このうち明石駅所属の男性社員(50歳)について告訴いたしました。

(2)新三田駅社員による不正行為 
○概要
 平成20年当時、JR宝塚線(福知山線)新三田駅に所属していた男性社員は、勤務中に「みどりの窓口」において、架空の磁気定期乗車券があるものとして、ICOCA(イコカ)定期乗車券を再発行し、後日それを払い戻すことにより、現金を着服していました。

○不正行為を行っていた期間
平成20年4月から8月まで

○着服件数
2件  

○着服金額
約16万円

○当該社員     
 鳳駅所属の男性社員(28歳)


3 今後の対策などについて
 このたび弊社内の複数の駅において、共通の手口によって長期間かつ多額の現金が着服されたことは、当該駅において定められたチェックが機能していなかったことに加え、職場管理体制が不十分であったと認識しております。このため、現場でのチェック機能の改善などをただちに実施するとともに、作業手順の明文化、コンプライアンス教育の充実など、再発防止策を検討、実施してまいります。

(1)原因
 全社調査を終え、4件の不正行為が明らかになりました。それらの共通的な原因としては、毎日の締切において、なされるべき回収定期券などの証票と再発行記録との確認が行われていない、また、旬毎の再チェックにおいても、その確認がなされていないことにあり、駅管理者においても点検が不十分で、最終的に証票を集約する審査・清算センターにおける確認もできていなかったことにあります。
 その背景としては、
 ・定期乗車券の再発行では売上が計上されないため、現金との整合が必要ないことから確認が疎漏になっていたこと。
 ・再発行記録には、再発行に係るもの以外に券詰まりにより販売しなかったきっぷも含めているなど、駅係員や管理者にとってチェックしにくいものであったこと。
 ・このチェック業務について、規程での定めはあるが統一的な手順を定めていなかったことなどから、確認をしなくても良いとの受け止めが一部の駅にあり、それを牽制すべき管理者、本社・支社の指導部署においても過去に発生したことのあるミスや不正行為に確認の重点をおいていたため、再発行に関わる確認に対する注意喚起が十分でなかったこと。
などがあったと反省しております。

(2)対策
 このため、緊急的な対策として、駅における定期乗車券の再発行に係わる証票などのチェックを確実に行うよう徹底いたしておりますが、更に、抜本的な対策としては、上記の認識を踏まえ、以下の取り組みを早急に進めてまいります。
 ・旬ごとのチェックについては、当該窓口担当者以外が行う体制とします。
 ・あわせて、駅係員がチェック業務を確実に行えるよう販売システムの改修を実施するとともに、統一的な手順書を作成し、管理者を含めた駅社員の教育を再度実施します。
 ・管理者にチェック業務が必ず実施されていることの確認を義務付けるなど、確実なチェックと牽制が行えるものとしてまいります。
 ・また、これらの業務が確実に行われていることを点検・指導する頻度を高めるために、支社に専任チームを置くことといたします。
 ・加えて、本社においても、過去事例だけではなく予兆的な項目も検討する体制を設けるほか、重要項目のモニタリングを行うなど、現場管理のサポートを行う仕組みを強化してまいります。

 また、現金・有価証券を取り扱う駅社員に対して、あらためて指導を行うことで職責の重要性を認識させるとともに、不正を許さない風土を作るという観点で職場実態の一層の把握とコンプライアンス教育を強化し、今後このような不正行為を発生させないように努めてまいります。

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